リップル 技術支援のため5000万ドル提供
リップル、ブロックチェーン研究支援に5000万ドル提供
リップル(Ripple)は、ブロックチェーンや仮想通貨技術の大学における研究を支援すべく、
新たに5000万ドル(約55億円)のファンドを立ち上げると発表した。
同社は、マサチューセッツ工科大学(MIT)やユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)、
プリンストン大学、オーストラリア国立大学といった世界各地の17大学と提携し、
この新たなプロジェクトを進める。提携する大学は、リップルの「ユニバーシティ・ブロックチェーン、
リサーチ・イニシアチブ(University Blockchain Research Initiative)」に申請することで資金が得られ、
5000万ドルのうちの一部はすでに割り当てられている。
リップルのグローバル・オペレーションのSVPを務める
Eric van Miltenburg氏
「大学は伝統的に、技術革新における重要なけん引役だ」
「ユニバーシティ・ブロックチェーン・リサーチ・イニシアチブは、暗号技術やブロックチェーン技術の理解と発展のために大学が果たすであろうユニークな役割の重要性を認識しており、その卒業生たちは、発展・成熟する金融市場や労働力の刺激となるだろう」
大学と連携するのはリップルが初めてではない。イーサリアムの開発に携わった
チャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)氏は2017年、
エジンバラ大学と東京工業大学で新たなブロックチェーンの研究室を立ち上げるため、
100万ドルを投資している。
どちらの事例も、多くの企業がその技術を使って商品を作ろうとし、
こうした企業に大量の資金が流れる中、仮想通貨の世界がまだ初期段階の、
開発主導のセクターであることを示している。
ビットコインを支える技術として注目されたブロックチェーン技術は、
処理能力、プライバシー、電力使用量といったさまざまな課題を抱えている。
世界中の開発者たちがこうした課題を含め、新たな技術をより良いものにしようと取り組んでいる。
Van Miltenburg氏
「今日のブロックチェーンをめぐる熱狂や活発な動きは、ビジネスもしくは市民社会にとって明白な利益をもたらす真の使用例からは切り離されている」
「リップルは研究のパラメーターを指図するつもりはないが、私たちは教員や学生が主導するプロジェクトを支援し、ブロックチェーンや仮想通貨のより効果的な活用を目指すという役割を果たすことを楽しみにしている」
リップル社はリップル(XRP)を発行量の60%保有している。
今回の新たなファンドを立ち上げるにあたり、同社はXRPを売却してその資金を得た。
リップルは当初、XRPを企業に国際送金で使ってもらいたいと考えていたが、導入は進んでいない。
現在、同社はブロックチェーンをベースとした決済システムを提供、
XRPを流動性資産のソリューションとして売りむことに焦点を当てている。