Suicaの開発者が最新仮想通貨システムでロシアに進出

EXコインでロシア市場進出狙う

QUADRAC株式会社代表取締役の日下部進氏とGVE株式会社代表取締役の房公治氏が4月上旬、 仮想通貨システム「EXcoin(EXコイン)」の特許を取得。EXコインはビットコインの対抗通貨になる可能性もある。彼らは、このシステムがクリプトルーブル導入に適当だと述べた。EXコインの独自性と競争力について房氏が語った。

 

EXコインシステム

QUADRAC株式会社代表取締役の日下部進氏とGVE株式会社代表取締役の房公治氏がEXコインシステムを開発した。日下部氏は非接触型ICカードの技術方式であるFeliCa(PASMO、Suica、nanaco)の開発者の1人。

EXコインとは?

ビットコインやイーサリアムが機能するシステムを研究し、2人は主な欠点を見つけた。

・セキュリティが低い

・大きなエネルギー使用量やオペレーションコスト

・即座に指示を送れない

房氏は日下部氏とともに、他のプラットフォームの欠点を修正する方法を見つけ、EXコインを開発。

今年9月にシステム完成予定。

このプラットフォームが必要な理由は?

房氏

「日本でATMに現金を下ろしに行くと毎日ちゃんとお金が出てきます。このインフラのために日本は毎年2兆円を使っています。現在、日本ではこの2兆円は政府でも個人でもなく金融機関が負担しているので、痛みを感じず、コストを負担しあっているような感覚になりますが、実際これは無駄なコストです。これを全てSuicaのようなものにし、Suicaとクレジットカードをひとつにして、それを携帯電話でも使えるようにすると、他に必要なものは何もないです。私たちは、携帯にEXコインのアプリを入れれば、どこでも使えるような仕組みを作ります。
国土が大きいほどキャッシュの運送費が高いので、ロシアもこのために巨額を使っているはずです。ロシアは人口密度の低い大きな国ですが、キャッシュをなくして運送費用をゼロにし、キャッシュレス社会にすることはロシアにとっても非常に意味があります。」

システムの信頼性

房氏

「ビットコインの場合、5万台のサーバーのうち、10分以内に計算できた人間の半分以上が『これは正しい』といえば、それが正しくなるというのがルールです。私たちとしては、5万台も必要か?という疑問もありますし、それがセキュアかと言うと、セキュアではないと考えています。5万台は必要なく、15台程度に分散するのが良いと考えました。15台の分散には非常に高速な処理を行い、1秒間に2万回の取引ができるサーバーを作りました。1回の取引が生じたとき、3つの異なるデータベースに同じことを記録します。そして0.2秒ずつ記録をつき合わせます。もし3つのうち、1つのデータベースに違う取引が記録されていれば、フラッグが立ち、黄信号・赤信号が出てきます。これはハッキングされていることを意味します。しかし0.2秒の間に、2つ以上のデータベースをハッキングする技術は世界にありません。アメリカやロシアの諜報機関にもないでしょう。」

房氏によると、こうしたセキュリティシステムはテロリストによる仮想通貨使用に対する信頼できる保証でもある。

房氏

「1つのデータベースをハッキングできたとしても、0.2秒の間に2つ以上を同時並行的に書き換えて支持を出すことができない限り、お金を取り出すことはできません。NEMが流出した仮想通貨取引所コインチェックのように1つのデータベースしかない場合、送金指示を出して書き換えたら、それで580億円がなくなってしまうというわけです。しかし、データベースが3つなら、1つのデータベースに580億円の送金指示があったとしても、残りの2つは違うデータを持っているので、その取引は完了しません。そうするとテロはできないでしょう。」

電力消費量について

房氏

「EXコインには「Felica」(フェリカ)の仕組みを応用しています。ビットコインの1トランザクションあたりの電力消費量は300キロワットアワー。VISAやマスターカードがトランザクションに使っている電力は1秒当たり6キロワットです。それに比べフェリカはもともと、1秒あたり2ミリワットです。その時点で100万倍以上、差がついています。フェリカにはバッテリーがついておらず、電磁波を利用しています。カードリーダーの方から出てきている2ミリワットの微弱な電力で勝手に動き、セトリングされます。私たちは、(EXコインの仕組みは)2ミリワットの電力だけではできないと考えています。15台のサーバーを使うつもりでいるので、結局その15倍ということで30ミリワットになります。この数字は、6キロワットを消費するVISAやマスターに比べれば、100分の1にはなっています。それほどまでにエネルギーの使用量が減りますので、世界で一番、エコなシステムになります。」

その他の特徴

EXコインはデジタル中央銀行「GMF」によって管理される。GMFの特徴は、人間の介入が最低限で、コストを抑えている。GMFは自らEXコインを発行し、買い戻し、再起動することができる。EXコインが一定の価格に達した場合、GMFは価格と同量になるようコインを発行する。こうして、通貨は貯蓄手段として保障される。例えば、EXコインの価格が2万ドルに達すれば、発行量は2万コインになり、価格が3万ドルになれば、発行量コインになる。価格の急激な下落の際には、GMFがEXコインを買い戻す。
房氏は、EXコインがクリプトルーブル導入の際にロシア市場でも使われる可能性があると期待を寄せる。スウェーデン政府が検討する仮想通貨「eクローネ」との提携も計画にある。EXコインプラットフォームは6月1日、ロシアのイノベーションセンター「スコルコヴォ」で開かれる「Startup Village 2018」で発表される。日本は露日交流年の一環で、「Startup Village 2018」のパートナー国として参加する。

引用 スプートニク日本

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