暗号通貨需要が高まるフィリピン
フィリピンでは、昨今の暗号通貨の価格が低迷しているにもかかわらず暗号通貨の取引が増えている。
国内メディアの報道によると、フィリピンの中央銀行は先週承認した3つの取引所を含めて、合計29の暗号通貨取引所を許可している。
マニラのBanco de Oro Uni銀行でチーフマーケットストラテジストを務めるJonathan Ravelas氏は、これらの動きはフィリピンで急成長している金融テクノロジー(フィンテック)セクターの発展につながると述べている。
「Fintechはフィリピンで非常に進歩しているようだ」
と Ravelas氏は述べた。
続けて
「消費者は結局のところ、暗号通貨をモバイルウォレットに入れられる機動性に注目し、それによって彼らはお金を支払う方法に柔軟性を持てる。」
と述べた。
暗号通貨の使用
暗号通貨のなかで最も知名度が高いビットコインは、約10年前に誕生し今や世界の大部分で投資対象になった。
しかし、昨年のビットコイン価格は年初から70%下落し、すべての暗号通貨に対する関心を弱めてしまった。
市況は悪いがフィリピン人は一般的に株式などのより伝統的な投資を選ぶ中、若い企業は資本調達のために暗号通貨に注目している。
10人に7人のフィリピン人が銀行口座を持っていないので、暗号通貨はそれらの消費者に新たな支払い方法を与えるのである。
政府の支援
「アナリストらによると、中央銀行総裁は、暗号通貨取引を同国の電子決済システムを推進するためのより大きな計画の一部と見なしている可能性があります。」
とクリスチャン・デ・グズマン氏は、述べた。
彼はムーディーズ・ソブリン・リスク・グループのシンガポール担当バイスプレジデント兼シニアクレジットオフィサーである。
特に2016年の国家支払いシステム法は、
「金融市場における資金のパイプラインとして、支払いシステムの効率性を促進するために中央銀行の能力を強化します。」
と同局の知事Benjamin Dioknoは先月の演説で述べた。
中央銀行と証券取引委員会はフィリピンの人々を保護するために暗号通貨の規制に向けて取り組んでいる。
「今後暗号通貨があらゆる場面で採用されていく前向きな一歩です。」
と同氏は述べた。
先発の利点は?
フィリピンでは、暗号通貨の採用について東アジアの大半よりも遅いが、規制当局がそれを制限するのではなく受け入れるのであれば際立つようになるだろう。
中国と韓国は、ICOの暗号通貨取引を制限している。
どちらも2017年に暗号通貨のICOを禁止し、中国はその動きの一部として暗号通貨取引所の閉鎖を命じた。
一方韓国には少なくとも21の取引所がある。
日本はアジアで最も自由度の高い暗号通貨の場として広く知られている。
17の取引所を完全に登録させたこの国は、2017年に世界最大のビットコイン市場として中国を追い越し、世界の取引量の58パーセントを占めた。
米国の暗号通貨専門ニュースウェブサイトCrush the Streetの財務アナリスト兼CEOであるKenneth Ameduriは、フィリピンは現在の勢いで「先駆者としての優位性」を発揮するはずだと語った。
フィリピンにおける暗号通貨の問題は、納税回避や違法薬物の支払いに暗号通貨が使われる可能性が高いということである。
と言っても課税と麻薬は暗号通貨とは関係なく以前からの課題ではある。
[参考 VOANEWS]